冷蔵・冷凍・常温の比較

前回は、どのキャニスターが保存に適しているのかを比べてみました。

でも、コーヒー豆屋さんをしていて、一番、多い質問が
「冷蔵がええの?冷凍がええの?」
という質問です。

そこで、今回は「冷蔵・冷凍・常温」での保存したコーヒー豆を飲み比べてみました
この企画に参加したのは、前回と同様コーヒーインストラクターとアドバンスドコーヒーマイスターの資格をもつ従業員2名で、冷蔵・冷凍・常温で、コーヒーの粉と豆の状態のものを保存し、2~4週間後にカッピングをしています。

どんな結果でしょうね。ワクワクッ!

焙煎後2週間のカッピング

焙煎してから2週間後、冷蔵・冷蔵・常温で保存したコーヒー粉と豆をカッピングしてみました。

粉で保存していたコーヒーは…

熱いうちはあまり違いを感じられなかった。しいて言えば冷凍が一番風味が残っているかな、という程度。
冷めると冷蔵に酸味を感じた。常温は一番フラットな感じで、苦みも酸味も柔らかい。

豆で保存していたコーヒーは…

カップにあふれる手前までお湯を注いだが、冷蔵か冷凍か常温かの保存方法によってガスの残り具合が違ったらしく、ガスが落ち着いてからのお湯の量が違っていた。
湯量が違っていたら必然的に味も違うだろうということで、豆の飲み比べはしていません

ガス?っと思われた方、いらっしゃるのではないでしょうか
コーヒー豆は焙煎後、ガスが発生します。そのため、ガスが発生している間に密封容器にいれると、蓋が開いてしまったり、包材に詰めると包材が破裂してしまう可能性があります。グラム数が多いほど、ガスの発生量も多いので、焙煎後のコーヒー豆は空気穴のある袋やバルブのついた袋に入れないといけません。真空パック等をしている場合は、焙煎後のコーヒーを置いておく(エイジングする)ことで、ガスができってから、真空パックをしています。

当店のドリップバッグコーヒーが膨らんでいるのも、焙煎後に密封をしているからなんですね。焙煎が深いほどガスの発生量も多いため、深めに焙煎しているドリップバッグコーヒーほど膨らんでいます。

少し話がそれましたが、ガスが発生している間、特に焙煎してから2~3日は味に落ち着きがなく、あまり美味しくありません
今回、豆のカッピングは注いだお湯の量が多かったり少なかったりすることで、単純に冷蔵・冷凍・常温を飲み比べできなさそうだったので、飲み比べを断念しました。残念っ!

3週間後の飲み比べ

では、3週間後は、どうだったのでしょうか。
2週間後のカッピングでは湯量の違いもあったため、今回はハンドドリップとカッピングで試してみました

まずは粉で保存したコーヒーを飲み比べてみました。

常温は、ぼやっとした味。物足りない。
冷蔵は、苦みがシャープ。
冷凍は、まろやか

常温は劣化が目立つも、冷蔵と冷凍は大差はない。しいて言えば、冷蔵の方が軽く、冷凍の方がやや濃いめな味わい。

次は、豆で保存したコーヒーです。

粉に比べて全体的に味が濃い。常温、冷蔵、冷凍の順番で濃くなる。
常温は、ちょっと酸味。
冷蔵は、苦みしっかり。でも少し酸味も感じる。
冷凍は、濃くて苦い。

常温の物が平たんな味わい。冷蔵と常温はやや酸味を感じられ、冷凍はやや苦味が勝った。

粉は冷凍保存が一番飲みやすかったとのことです。
ただ、冷蔵庫・冷凍庫の開け閉めはほぼ毎日していますが、保存袋自体は外に出していなかったため、あまり温度変化は無く結露の影響もほとんど受けていないと気づきました。毎日このコーヒーを淹れる想定で一定時間常温においていたらまた違った結果になったかもしれません。

ただ、2人の結果からだと豆の冷凍が一番しっかり保存はできているようです

4週間後のカッピング

では、最後の飲み比べです!
まずは、粉で保存したコーヒーから…

常温は苦味が先行し、後味もずっと下に苦味が残る感じ。
冷蔵はまろやかで軽いコク、バランスは良い。
冷凍は3種の中で香りの広がりが良く、コクがしっかり感じられる。

次に、豆で保存したコーヒーは…

常温は粉冷凍と近い風味の強さ。冷めてくるとやや酸味。
冷蔵はコクがあり風味もしっかりしている。
冷凍はしっかりとした風味の強さ。濃いと感じる味わい。

粉で保存する場合には、冷凍が一番よさそうですね。ただ、冷凍は常温に戻して10分以上もたつと結露があり、味にも影響がありそうです。小分けにしておいて、使用する分だけ出すようにしないと劣化が進んでしまうという点には気を付けたいですね。

豆で保存する場合には、冷蔵や冷凍がよさそうです。豆での場合も、結露には十分気を付けたほうがよさそうです!

以前の記事が気になる方は、こちらからご覧ください。

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