いつも当店をご利用いただきましてありがとうございます。
普段、コーヒーをお買い求めのお客様からよく受けるご質問で、「コーヒーの保存方法はどうするのが良いですか?」というものがあります。
そこで、今回は、コーヒー豆の保存方法や保存容器等について書いてみました!
・コーヒーの劣化を促す要因って?
・コーヒーを保存する良い条件とは?
・キャニスターを比較してみました。
・1か月間の飲み比べ(前編)
・コーヒー粉の活用方法
7種類のキャニスターを比較して、1か月間飲み比べをしてみましたが、少し長くなりそうなので、前編と後編でお伝えしますね。
まずは、コーヒーの劣化要因からご説明します。
コーヒーは生鮮食料品ではありませんが、デリケートです。
コーヒーは、賞味期限を過ぎると衛生上の問題が発生する生鮮食料品ではありませんが、時間が経つにつれて風味や味が劣化しやすいデリケートなものです。
コーヒーの劣化を促す要因は、以下の5つです。ご自宅でもチェックしてみてくださいね。
- 高温
- 酸素
- 湿気
- 過度な乾燥
- 光
コーヒーを保存する良い条件とは?
では、劣化の要因は分かりましたが、コーヒーを保存する時の良い条件って何だと思いますか。
一般的には、コーヒーを焙煎した後の豆の状態で保存できる期間は、長くても1ヶ月程度と言われています。普通のご家庭で沢山の量のコーヒー豆をまとめ買いすると、使い切る前に数ヶ月かかることになってしまうため、あまりお勧めできません。
温度差が大きい場所もコーヒーの保管には適していません。できれば、冷暗の場所(例えば窓がない廊下や食器棚など)が比較的適しているといえますが、あまりにも高温になる場合には他にも良い場所がないか、お家の中を探してみてください。
<コーヒーを保存する良い条件>
- 100g~200gの適度な量で保存
- 密閉すること
- 温度差に弱いため、冷暗の場所
キャニスターを比較してみました
そこで、従業員の協力も得て、さまざまな形状のキャニスターを使用し、実際にはどんな保存容器がコーヒー豆の保存に適しているのかを実験してみました。
使用したのは7種類のキャニスターです。
遮光のないガラス製、金属の茶筒やステンレス、陶器のキャニスターなど、どれも条件の違うものです。
では、1つずつ使い心地をご紹介しますね。
①エア・リデューサースリム M 900㏄ 1,540円
香り漏れは、ほとんどなく、200gをいれると写真のような形になります。洗いやすく、開け閉めは思いのほか、蓋が軽くて、バルブを開けなくても蓋自体を上下できるため、密閉度は微妙。
ただ、パッキンがしっかりしているので、豆だけでなく粉の保存も問題なさそうです。
②パール金属 保存容器 18-8 ステンレスキャニスター 密封びん 透明カバー 880ml スリム ロック式 1,760円
香り漏れはなく、しっかりと密閉されています。
蓋と本体がつながっているので、洗いにくさはありますが、密閉されるのと引き換えという感じはします。
1か月間、コーヒーの粉を保存してたら、パッキンの部分はやや茶色に変色していました。
今回はコーヒーの粉200gを入れてみました。200gは余裕で入ります。
③ZEROJAPAN コーヒーキャニスター200 ホワイト CO-200 WH 2,420円
コーヒーの香り漏れはほとんどなく、鼻を至近距離まで近づけるとふわっと香るくらいで、コーヒーの粉200gを入れました。
夜にキャニスターを洗って、自然乾燥で翌朝には完全に乾いていました。
ゴム部分も取りやすく洗いやすいですし、開け閉めも簡単でかつしっかり締まっている感じがしました。
④江東堂高橋製作所 茶筒生地缶 平缶200g za17 1,430円
蓋の開け閉めが楽でした。
落としたらベコベコにへこみそうですが、洗いやすかったです。
今回はコーヒー豆200gを入れてみましたが、内蓋をすると190gほどしか入りませんでした。粉だと200g入るかもしれません。
紅茶入れやティーバッグ入れにも使えそうです。
⑤LOLO 保存容器 キャニスター BS00 陶器 日本製 BASIC 白 コーヒー 2,180円
香り漏れはなく開け閉めも特に問題ないです。
今回はコーヒー豆200gを入れようとしましたが、170g程度しかはいりませんでした。
洗いやすくオシャレで、密閉されているのでコーヒー粉でも保存できそうです。
⑥HARIO (ハリオ) 珈琲キャニスターM ブラック MCN-200B 880円
香り漏れはありません。当店でも販売しているタイプですが、300g入る大きさの物もあります。
今回はコーヒーの粉を200gいれてみました。洗う時にパッキン部分に水が入るので、乾燥させる時に要注意です。
密閉度が高いのか、焙煎したて1日目を入れると、翌日には蓋が開いていることがありますので、蓋を閉めなおすことがあります。
⑦エコキャニスターM(バンブーとコーンスターチ) 1,485円
香り漏れはありません。洗った感じは、本体は特に問題ないけど、蓋にシリコンのパッキンがついているので、それを外すかどうかで変わりそうです。
今回はコーヒー豆200gを入れましたが、300gは入らないかな。蓋の開け閉めは回すだけなので簡単です。遮光されるので、コーヒーの粉での保存もありだと思います。
洗い心地や使い心地は、人それぞれですので、ご参考までに!
①④⑤⑦の4種類は、コーヒー豆の状態で保存
②③⑥の3種類は、コーヒー粉の状態で保存して、1か月間、飲み比べをしてみました。
1か月、飲み比べしました
条件は3つです。
★全てブラジルサントス200gを保存してみる。
★焙煎当日はガスが発生するため、蓋が開く可能性もあり、焙煎翌日から保存スタート。
★常温、日の当たらない場所に置いて、湿度を測る。
よく聞く、冷蔵庫や冷凍庫にいれるという方法はせずに、今回は常温のみで比較しています。
1週間後のカッピング
カッピングは、コーヒーアドバンスドマイスターとコーヒーインストラクターの資格を持つ2名で実施しました。
まずは、粉で保存したコーヒーの印象は…
粉で保存した3種類はカッピングでもドリップでも違いは感じられず。豆で保管のものと比べると、粉で保存したコーヒーの香りは落ちている。ドリップ時は、ほとんど膨らみません。
粉で保存した3種類はどれもぼんやりした印象の仕上がり。特にステンレス?アルミ?容器の物は薄く、酸味が感じられた。また、いづれも蒸らしの際の粉のふくらみはなく、ドリップ後のドリッパー内の粉の状態もぼろぼろと崩れる状態でした。
次に、豆で保存したコーヒーの印象は…
豆での保管と粉での保管を比べるとお湯を注いだ時の豆のふくらみに大きく差があった。
豆での保管はまだ風味共にしっかり残っていたが粉での保管の方は平たんで物足りない風味に感じたが1週間程度では極端に苦味や酸味など嫌な味わいにはなっていなかった。
焙煎してから1週間では、粉と豆との違いはあっても、各キャニスターでそんなに差がでることはなさそうですね。
ちょっと長くなってきたので、2回目~4回目のカッピングについては、次回の記事でお伝えします。
コーヒーの粉って活用方法ありますか?
少し話が変わりますが、皆さまはコーヒーを淹れて飲んだあとのコーヒーの粉はどうされていますか?
そのまま捨てているという方も多いかもしれません。しかし、コーヒー粉は再利用することができます。
トイレなどの芳香剤代わりに
コーヒーの粉には消臭の効果があると言われていますので、芳香剤代わりに乾燥させたコーヒーの粉をトイレや靴箱などの嫌な匂いの元になる場所の近くに置くと匂いを抑える効果があります。2週間ぐらいは効果が持続します。
観葉植物の虫除けに
ベランダに観葉植物やハーブなどの香味野菜を栽培されている方は、近くに乾燥させたコーヒー粉を置くというのもお勧めです。コーヒーの粉から発生する独特の匂い成分を虫は嫌いますので、虫除けに一定の効果があるようです。
お香の立てや灰皿としても使える
コーヒーの飲み終わった後の粉を乾燥させずに、お香立てとして使うこともできます。乾燥させない場合には、水分を含んでおり、火消しにもできるためタバコを吸う方は灰皿としても。
刺繍のピンクッション(針刺し)として
布に乾燥したコーヒー粉を包めば、ピンクッションとしてもつかうことができますよ。
粉をこぼして部屋を汚さないために
100円均一のショップでも売っている「ペーパーパック」に乾燥させたコーヒーの粉を入れて、輪ゴムやネジリッコで軽く止めれば、コーヒーの粉をこぼして部屋を汚さずに済みますよ♪
コーヒーの保存や活用方法について、書いてみましたが、いかがでしょうか。
皆さんは、今、どこで保存されていますか?
次回は、キャニスターの飲み比べ2週目~4週目のカッピングの感想をお伝えしますね。